NPO法人 出水麓街なみ保存会
- 河添 建志
組織概要
設立年月日 | 平成27年8月20日 |
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正会員 | 160名(令和3年3月時点) |
所在地 | 鹿児島県出水市麓町18番43号 |
活動内容
○設立の経緯、目的
昭和51年10月に、出水麓武家屋敷群を国の「重要伝統的建造物群保存地区」に選定してもらうため、旧出水市の呼びかけにより、武家屋敷の所有者96名で「出水麓武家屋敷保存会」が組織された。その後、平成7年12月に選定されたことをきっかけに、平成10年4月より組織・名称を改編し「出水麓街なみ保存会」として発足した。出水市民のみならず、広く多くの方に魅力を発信しようと、「住み心地の良いまち」「魅力ある武家屋敷の街なみ」作りを推進する活動を続けており、平成27年8月からは、活動の幅を広げるためにNPO法人として再スタートしている。
○主な活動内容
1. 武家屋敷の管理
平成21年4月より、出水市が指定管理者制度(住民の福祉を増進する目的をもって、その利用に供するための施設である公の施設を、民間業者等が有するノウハウを活用することにより、住民サービスの質の向上を図っていくことで、施設の設置の目的を効果的に達成することを目標に定められたもの)を導入したことをきっかけに、市所有の公開武家屋敷「竹添邸」と、個人所有の「武宮邸」の維持管理を担っている。その後、市所有の「税所邸」も公開され、現在では3軒の武家屋敷の管理を行っている。
2.季節ごとのイベントの開催
武家屋敷での催し物として、税所邸の二つの囲炉裏に炭火を入れ、お客様にお茶やお菓子、餅を焼いてふるまい武家屋敷を楽しんでもらう正月イベントや、毎年2月、3月には竹添邸、税所邸にひな飾りを設置し、お茶や和菓子のおもてなしや、お茶体験などを行う「着物で歩こう会」などを実施している。また、毎年8月13日、14日には竹添邸の庭で子どもや家族で、スイカやシャボン玉などで昔ながらのお盆を体験できる「お盆夕涼み会」を開催している。
11月には、江戸時代に旧薩摩藩の国境の拠点であった出水市麓地区などの整備に尽力した山田昌巌の遺徳を偲ぶ「出水麓まつり」を開催している。当まつりでは、武者行列の再現や、火縄銃の試射、太鼓踊りの山田楽や和太鼓、鹿児島県指定無形民俗文化財である種子島楽(約100人の男性の大人や子ども達が太鼓や鉦、メバチなどの楽器を打ち鳴らして入場し、演舞場では円陣を組んだり、隊列を構成しながら飛び跳ねたりする)の披露のほか、昌巌が創設した児請(ちごもうし)と呼ばれる出水兵児(いずみへこ)の鍛錬制度の様子を、地元の子ども達が再現している。
3.研修・勉強会等
地域の歴史を学ぶ麓の歴史講座(同会主催)を年に1回行うほか、同会の理事や武家屋敷案内人、麓地区住民に参加を募り、重要伝統的建造物群保存地区や歴史的な場所を見学する研修旅行の実施や、全国町並み保存連盟が開催する全国町並みゼミや九州町並みゼミにおける観光や空き家対策についての意見交換などに取り組んでいる。
また、出水市や他の団体と連携し、ステージイベントやアトラクションなどが楽しめる「出水麓シラス像パークまつり」や出水麓武家屋敷群を竹灯籠でライトアップする「いずみマチ・テラス」など、出水麓の観光事業に関する催しや会議を企画・実施し、地域の活性化に貢献している。
4.地域貢献活動
麓住民向けのグラウンドゴルフ大会開催による地域コミュニティの再生や、区域内の史跡・文化財について地域の小学生に学んでもらうなど、歴史・文化を通じた青少年の育成活動を行っている。また、高齢者の生きがいづくりや生活支援サービスを行うほか、空き家となっていた武家屋敷「志賀邸」、「三原邸」を観光客へ公開するなど、空き家の活用に取り組んでいる。また、令和2年5月からは、出水麓と出水城(亀ヶ城)が日本遺産に認定されたことを受け、出水城(亀ヶ城)の整備も行っている。
5.広報宣伝活動
平成29年より、ホームページとfacebookを立ち上げ出水麓武家屋敷群やイベントの様子などを紹介している。また、同年より毎年、武家屋敷、出水麓歴史館で観光客に配布する武家屋敷案内マップを作成している。
令和2年2月には「亀ヶ城」の城郭符(御城印)を制作し、観光客に配布した。同年8月には、地元の人に武家屋敷や歴史を知ってもらうため、「武家屋敷周辺地図と出水の歴史」チラシを作成し、約2,000世帯と商店などに配布している。
○今後の抱負や活動など
今後も、出水麓武家屋敷群での情報発信を積極的に進めるなどの取組を行っていきたいと考えている。